2022年度 第22回Sense of Gender賞
受賞作品
2022年度 第22回Sense of Gender賞発表
2022年度 第22回Sense of Gender賞は2023年8月6日(日)、第61回日本SF大会『Sci-con2023』閉会式にて発表されました。
- 発表・授賞式 第62回 日本SF大会『Sci-con2023』(2023年8月5日(土)6日(日)/埼玉県・浦和コミュニティセンター)
- 賞状、トロフィー
2022年度 第22回Sense of Gender賞 最終選考作品
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- 大賞 白川紺子『後宮の烏』全7巻〈集英社オレンジ文庫〉
- SF初志貫徹賞 高野史緒『カラマーゾフの兄妹 オリジナルバージョン』〈盛林堂ミステリアス文庫〉
- 松崎有理『シュレーディンガーの少女』〈創元SF文庫〉
- 菅野文『薔薇王の葬列』全17巻〈秋田書店プリンセス・コミックス〉
- 映画『PLAN75』早川千絵監督作品
- 最終選考作品とすべての推薦候補作
ツイッターハッシュタグ#SOG賞2022および絞り込みzoon会議(2022年5月4日〜5日)で上がった推薦作リストです。
第22回Sense of Gender賞 ご挨拶
2001年に創設されたセンス・オブ・ジェンダー賞(略称 SOG賞)は、今年(2023年)第22回を数えるまでになりました。22回! よくぞここまで続いたものだと胸が熱くなって参ります。これも、これまで暖かく支えてくださった全ての皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
始めた頃には「ジェンダーってなんですか?」とよく聞かれたものですが、流石に21世紀もここまで来ると、ジェンダーということばは特に違和感なく口にされるようになり、それどころかジェンダーSFというサブジャンル自体がSFのみならず、ミステリや純文学やホラーなど他ジャンルにも波及し、ますます意欲的な作品が描かれるようになりました。この傾向は、海外でも同様で、欧米のみならず、アジアでも作品数は増加し、ジェンダー論の視点からSF作品が批評・検討される機会はますます増えています。
さて、そのような時代を背景にしているせいか、今年も多く作品が登場し、とてつもない力作が揃い踏みしました。
選考方法ですが、まず事前にTwitterでの呼びかけのスクリーニングが行われました。通常では、それをもとに第一次選考予備会がSFセミナー合宿で開催されるのがなかば恒例となっていましたが、今年はSFセミナー自体の合宿がなかったため、セミナーの夜の自主企画としてZoomにて開催、それをもとに五作に絞り込まれました。
最終選考会は、さる7月15日午後8時より、Zoomミーティングで行われました。選考委員の皆さんは、以下のメンバーです。
- 久米依子さん(日本大学文理学部教授)
ライトノベル、少女小説の造詣が深い。日本近現代文学研究者 - 福地あゆみさん(会社員)
福地健太郎氏のパートナー。今回はジェンダー偏向を避けるためご夫婦で参加。 - 福地健太郎さん(明治大学教授)
〈眼鏡・理系・白衣〉Café Scifi+tiqueの博士、明治大学所蔵「柴野拓美コレクション」研究家 - 柏崎玲央奈さん(ジェンダーSF研究会会員)
東京理科大SF研究会OG 元SFセミナースタッフ - 山森衛さん(ジェンダーSF研究会会員)
三重大学SF研究会OG
最終選考会は、毎度読書会のように活発な討議が行われますが、今年も二時間ほどの白熱した議論の結果、本年の受賞作が決まりました。
読者の皆さんには作品と講評との密な対話を堪能しつつ、この素晴らしい作品を、ともに褒め称えていただければ、こんなに嬉しいことはありません。今後とも、センス・オブ・ジェンダー賞の応援を、よろしくお願い申し上げます。
(ジェンダーSF研究会発起人 小谷真理)