2015年度 第15回Sense of Gender賞
2015年度 第15回Sense of Gender賞 受賞作品
2015年度 Sense of Gender賞 発表
2015年度 第15回Sense of Gender賞は2016年7月10日(日)、第55回日本SF大会 いせしまこん(三重県鳥羽市・戸田家)にて発表されました。
2015年度 最終選考作品
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- 倉田タカシ『母になる、石の礫で』(早川書房 Jコレクション)
- 蔓沢つた子『好物はいちばんさいごに腹のなか』(バンブーコミックス Qpaコレクション)
- 長谷川愛:(Im)possible baby
- yoha『さよなら恋人、またきて友だち』(オメガバース プロジェクト コミックス)
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倉田タカシ『母になる、石の礫で』(早川書房 Jコレクション)
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蔓沢つた子『好物はいちばんさいごに腹のなか』(バンブーコミックス Qpaコレクション)
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長谷川愛:(Im)possible baby
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yoha『さよなら恋人、またきて友だち』(オメガバース プロジェクト コミックス)
最終選考委員の講評
第15回センス・オブ・ジェンダー賞
2001年度から開始されたセンス・オブ・ジェンダー賞も、今年で15回目を迎えました。15年の長きにわたって、ともにセンス・オブ・ジェンダーの世界を探究し、数々の性差SFの名作を褒め称えてくださったみなさんに、厚く御礼申し上げます。
素敵な作品を創造してくださった受賞者のみなさん、ジェンダーってなんだ? それを深めるってどういうこと? なんていう難問に挑戦し、熱い議論をくりひろげてくださったすべての選考委員のみなさん、SFセミナーの夜合宿にご参加し、さまざまなSF作品を俎上にあげてくださったみなさん、そして、受賞作をほめたたえ、読んで考え思考を深めてくださった読者のみなさん、ありがとうございます。
また、我々の活動をつねにあたたかく見守り、ときとして問題提起し、共同企画に参加して、もりあげてきてくださったアメリカのフェミニストSFコンベンションWISCONとティプトリー賞運営に携わっているマザーボードのお姉様方にも、この場をかりて御礼申し上げます。
さて、今年のセンス・オブ・ジェンダー賞の選考委員会は、さる6月26日午後1時半より、江戸川区船堀の船堀勤労会館の会議室で行われました。
今回のゲスト選考委員は、leeminさんです。leeminさんは、ジェンダーSF研究会発足当時から力強い活動で知られていた故・島田喜美子さんとともに、新潟のローカルコンベンションGATACON発のダンスユニット〈カモネギシスターズ〉でご活躍されてきたSFファンダム界の逸材です。そして、15年目という記念の年ということもあって、発起人2名が選考委員会に復帰しました。
今年のセンス・オブ・ジェンダー賞の候補作は、妊娠・出産にまつわるテーマに集中しています。男性が妊娠する世界、同性愛者間に子供が誕生する世界、宇宙に適応する新世代の誕生など、現実には不可能と思われていた妊娠・出産現象の可能性を探ったSF作品が俎上にあげられました。科学技術がさまざまな不可能を可能にして行くなかで、これらの作品の思弁性は、ますます貴重なものになっていくでしょう。選考委員会では、驚異的なSF的想像力に感嘆しながら、活発な意見がかわされました。その結果、だれにとっても意外な結論に達することになりました。今後の性差SF世界を考えるうえで、興味深い選考結果になったのではないでしょうか。
今後ともセンス・オブ・ジェンダー賞をご支援いただき、ともに性差SF世界を褒め称えていただければ、こんなにうれしいことはありません。
(ジェンダーSF研究会発起人 小谷真理)