2018年度 第18回Sense of Gender賞
受賞作品
2018年度 第18回Sense of Gender賞発表
2018年度 第18回Sense of Gender賞は2019年7月28日(日)、第58回日本SF大会 彩こん Sci-con(埼玉県さいたま市 ソニックシティ)にて発表されました。
- 発表・授賞式 第58回日本SF大会 彩こん Sci-con(2019年7月28日 埼玉県さいたま市 ソニックシティ)
- 賞状、トロフィー
2018年度 第18回Sense of Gender賞 最終選考作品
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- 大賞 田中兆子『徴産制』〈新潮社〉
- ベストカップル賞 九州男児『ヨメヌスビト』〈オークラ出版〉
- 倉数茂『名もなき王国』〈ポプラ社〉
- 高原英理『歌人紫宮透の短くはるかな生涯』〈リットーミュージック〉
- 高山羽根子『オブジェクタム』〈朝日新聞出版〉
- 最終選考作品とすべての推薦候補作
ツイッターハッシュタグ#SOG賞2018およびSFセミナー(2019年5月4日)内ジェンダーSF研究会の部屋で上がった推薦作リストです。
第18回センス・オブ・ジェンダー賞
2001年度から開始されたセンス・オブ・ジェンダー賞も今年で18回目を迎えました。この1年の間には、元号も令和に代わりました。そう。今年は、平成最後の年の性差SFを探求することになったのです。平成13年以降、平成の時を私たちと一緒に、センス・オブ・ジェンダーの世界を旅し、数々の性差SFの名作を褒め称えてくださったみなさんには、心より御礼申し上げます。
素晴らしい作品を通して、我々に様々な問題を投げかけてくださった受賞者のみなさん、ジェンダーってなんだ? それを深めるってどういうこと?
という難問に挑戦し、熱い議論をくりひろげてくださったすべての選考委員の方々、Twitterで候補作をあげてくださったツイッタラーさんたち、SFセミナーの夜合宿にご参加し、性差SF作品を俎上にあげてくださったみなさん、そして、受賞作をほめたたえ、思考を深めてくださった読者のみなさん、本当にありがとうございます。
また、我々の活動をつねにあたたかく見守り、ときとして問題提起し、共同企画に参加して、もりあげてきてくださったアメリカのフェミニストSFコンベンションWISCONとティプトリー賞運営に携わっているマザーボードのお姉様方にも、この場をかりて御礼申し上げます。今年は四月にフェミニスト作家のヴォンダ・マッキンタイアが亡くなり、とても残念でしたが、彼女の思想を大事にしながら、その心意気を継承していきたいと考えています。
さて、今年のセンス・オブ・ジェンダー賞の選考委員会は、さる7月7日午後2時より、池袋の某会議室で行われました。
今回の選考委員は、大串尚代さん(アメリカ文学者)、蛙田あめこさん(ライトノベル作家)、柏崎玲央奈さん(SF書評家)、難波美和子さん(文学研究者)、八代嘉美さん(幹細胞生物学者)でした。三時間ほどの白熱した議論の末、大賞とベストカップル賞が選出されました。
今年のセンス・オブ・ジェンダー賞の候補作は、男性性というジェンダーのバラエティを追求する作品が並び、これまで単純化されていた男性像の可能性を一気に押し広げて行くような思弁性が見られ、その大胆不敵な想像力は実に啓発的でありました。
読者の皆さんには、このステキな想像力の賜物を、大いに楽しみ、ともに褒め称えていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
今後ともセンス・オブ・ジェンダー賞の応援をよろしくお願い申し上げます。
(ジェンダーSF研究会発起人 小谷真理)