2023年度 第23回Sense of Gender賞
受賞作品
2023年度 第23回Sense of Gender賞発表
2023年度 第23回Sense of Gender賞は2024年7月7日(日)、第62回日本SF大会『やねこんR』にて発表されました。
- 発表・授賞式 第62回 日本SF大会『やねこんR』(2027年7月6日(土)7日(日)/長野県・白樺リゾート 池の平ホテル)
- 賞状、トロフィー
2023年度 第23回Sense of Gender賞 最終選考作品
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- 大賞 映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』古賀豪監督作品
- 大賞 高殿円『忘らるる物語』〈KADOKAWA〉
- 高野史緒『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』〈ハヤカワ文庫JA〉
- 竹内佐千子『bye-byeアタシのお兄ちゃん』〈講談社 ワイドKC〉
- 斜線堂有紀『本の背骨が最後に残る』〈光文社〉
- 最終選考作品とすべての推薦候補作
X(旧Twitter)ハッシュタグ#SOG賞2023および絞り込みzoon会議(2024年3月9日〜10日)で上がった推薦作リストです。
第23回Sense of Gender賞 ご挨拶
2001年に創設されたセンス・オブ・ジェンダー賞(略称 SOG賞)は、今年(2024年)第23回を数えるまでになりました。あと一年で、四半世紀となります。
四半世紀! (←長いです)
まさかここまで長く継続するとははじめた頃は想像もしておりませんでした。この間「ジェンダー」に関しては、これまで沈黙の中に置かれていたさまざまな事情が、ネットの発達と共に表面化しやすくなり、さまざまな背景が浮き彫りになってきました。そこには、多様な人々が共存する社会を考える上で、人種やセクシュアリティなどの問題系とともに、性差に関して、世界的に関心が高まってきたという事情もあるでしょう。
こうした世界的な流れに伴走しながら、センス・オブジェンダー賞は歩んできました。まずは、これまで暖かく支えてくださった全ての皆様に、心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございます。
始めた頃には「ジェンダーってなんですか?」とよく聞かれたものですが、流石に21世紀もここまで来ると、ジェンダーということばは特に違和感なく口にされるようになりました。とはいえ、まだまだ基本的な事項や歴史的経緯、政治的背景などの知識が浸透しているとは言い難いのが現状です。 本賞をめぐるデイスカッションを通して、ジェンダーについて考える機会が増えることを、そして、SFやファンタジーに関する考察が深められることを、切に願っております。
さて、今年も多く作品が登場し、とてつもない力作が揃い踏みしました。
選考方法ですが、まず事前にX(旧Twitter)での呼びかけのスクリーニングが行われました。通常では、それをもとに第一次選考予備会がSFセミナー合宿で開催されるのがなかば恒例となっていました。が、今年は発表媒体であるSF大会(今年はやねこんRです)の予定が大幅に早まったため、三月にZOOM会議が開催され、五作に絞り込まれました。
最終選考会は、さる6月22日午後8時より、Zoomミーティングで行われました。選考委員は次の五名の皆さんです。
- 大木理恵子さん(アメリカ文化研究者)
- 大野万紀さん(翻訳家・書評家)
- 春田梨野さん(BL小説家)
- 柏崎玲央奈さん(ジェンダーSF研究会、宇宙作家クラブ会員、SF書評してた)
- 福島一実さん(ジェンダーSF研究会会員)
最終選考会は、今年も読書会のような活発な討議が二時間ほど行われ、すべての作品をほめたたえる白熱した議論の末、本年の受賞作が決まりました。
読者の皆さんには作品と講評との密な対話を堪能しつつ、このすばらしい作品を、ともに褒め称えていただければ、こんなに嬉しいことはありません。今後とも、センス・オブ・ジェンダー賞の応援を、よろしくお願い申し上げます。
(ジェンダーSF研究会発起人 小谷真理)