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Sense of Gender賞 海外翻訳部門

2007年度 第3回Sense of Gender賞 海外部門

2007年度 第3回Sense of Gender賞 海外部門 受賞作品

2007年度 第3回Sense of Gender賞 海外部門 最終選考作品と講評

第3回Sense of Gender賞 海外部門について

 Sense of Gender賞とは、2000年に発足したジェンダーSF研究会により運営されている賞です。この賞は、前年度の一月一日から一二月三一日までに刊行された、日本国内のSF&ファンタジー関連作品を対象に、性的役割というテーマを探求し深めたものに与えられるものです。ひらたくいうと、SF的にジェンダーについて深く考えされる日本の作品を選び、「あなたのSF的ジェンダー考察はすばらしい」と一方的に褒め称えさせていただく賞です。命名はSF評論家の永瀬唯氏によります。国内部門は2007年度第7回めを迎えています。Sense of Gender賞海外翻訳部門は、2005年度から始まり、今回で2007年度(第3回)を選出することができました。

アメリカではSF作家パット・マーフィーとカレン・ジョイ・ファウラーふたりの発起人により一九九一年に設立されたジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞があり、Sense of Gender賞も海外翻訳部門の設立が望まれていました。ジェンダーSF研究会ではティプトリー賞コミュニティと連絡を取り合い、その協力を得て海外翻訳部門を実現することができました。

 海外部門は、前年度の一月一日から一二月三一日までに刊行されたSF&ファンタジー翻訳作品を対象にしております。メインである国内部門と同様、ソーシャルネットワークmixiのジェンダーSF研究会コミュニティにて候補作を広く募ったのち、正会員が最終候補作を決定、最終投票を行います。
本年度はティプトリー賞のショートリストに習い、推薦された作品をすべて候補作として対象としました。選考方式はクmixiのアンケート機能を使用し、ジェンダーSF研究会正会員による投票を採用しました。しかし二度の投票を行った後も票が割れ、最終的に正会員により討論にてウェン・スペンサー『ようこそ女たちの王国へ』(ハヤカワ文庫SF)が大賞に選出されました。投票方法など、これからもいろいろと模索しながら、よりよいものを目指していきたいと思います。ご意見ご感想などありましたら、フォームからお寄せください。

 SFやファンタジーという空想的な世界では、既存の男女といった単純な性差に二分化されない、自由な発想があります。特に海外部門では、過去の作品がいま訳出されることがあり、そこの描かれた古いジェンダー観を現在の視点から見るおもしろさを味わうことができます。
  本年度は19世紀のメアリ・シェリー(『最後のひとり』原書は1826年の作品)から、21世紀の現役作家までという幅広い作品が候補に上がりました。異種格闘技場のような候補作リストも、ジェンダーという切り口に特化したSense of Gender賞ならではでしょう。それぞれの作品の認識的異化作用をお楽しみください

 ジェンダーSF研究会正会員による、書評は最終候補作品として評を争った、ウェン・スペンサー『ようこそ女たちの王国へ』、 ジョー・ホールドマン『擬態―カムフラージュ』、キャロル・エムシュウィラー『すべての終わりの始まり』、 ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』 の4作品を公開しました。

(ジェンダーSF研究会SOG賞幹事 おのうちみん)

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