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2003年度 第3回Sense of Gender賞

受賞作品

2003年度 第3回Sense of Gender賞発表

  • 授賞式 第43回日本SF大会 G-CON閉会式(2004年8月22日 岐阜県)
  • 賞状、トロフィー、扇子、著者サイン入り書籍

2003年度 第3回Sense of Gender賞 最終選考作品

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2003年度 第3回Sense of Gender賞

本家のティプトリー賞は、初期のころには、選考委員五名が発起人と話し合って受賞作を選んでいました。最近では、選考委員五名が中心になって選考し、歴代の選考委員と受賞者、それに発起人と世話役など関係者で構成されるマザーボードがこれをバックアップしているようです。そして、性差論への理解を深め、一般への浸透をはかろうとしていたため、選考過程は、くわしい選評を伴い公開することが原則となっています。

日本のセンス・オブ・ジェンダー賞は、この方式を今年から試験的に導入しています。今年の選考委員は、風野春樹(サイコドクター)、柏崎玲央奈(幹事)、川崎賢子(文芸評論家)、島田喜美子(GATACON代表)、野田令子(理学博士)の五名で、やはりマザーボードがバックアップしています。

最終選考に先立つ五月のSFセミナーでは、さまざまなひとたちが参加して討議し、その議論反映した以下の四作が選ばれました。沖方丁『マルドゥック・スクランブル』、笙野頼子『水晶内制度』、古川日出男『トウンドトラック』、ゆうきりん『ヴァルキュリアの機甲』です。純文学からハードコアSF、ライトノベルから幻想小説まで、さまざまなジャンル境界を縦断してこれぞという力作がそろいぶみしました。また2003年度は、なんといっても評論の大豊作の年にあたっており、なかでも人気をあつめた野火ノビタ『大人は判ってくれない』が最後の候補作として入ることになりました。

SFやファンタジー作品という空想的な世界では、既存の男女といった単純な性 差に 二分化されない、自由な発想があります。そこではどのような作品がどういうふうに 描かれているのでしょうか。

今年のセンス・オブ・ジェンダー賞の候補作と選評を併読しながら、SF関連作品のなかに性差という視点を導入することによってどんな新しい世界が見えてくるのかを、ふたたびみなさんとともに探究していきたいと思います。

(ジェンダーSF研究会発起人・小谷真理)

最終選考委員の講評

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