2006年度 第6回Sense of Gender賞 選考委員の講評

■2006年度 受賞作品

■2006年度 最終選考作品

  • 桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(東京創元社)[amazon link]
  • 飛浩隆『ラギッド・ガール―廃園の天使2』(早川書房)[amazon link]
  • 笙野頼子『だいにっほん、おんたこめいわく史』(講談社)[amazon link]
  • さちみりほ『銀のヴァルキュリアス(全10巻)』(秋田書店)[amazon link]
  • 映画『日本沈没』樋口真嗣監督作品[amazon link]

■最終選考委員の講評

  • 香山リカ(精神科医)
  • 小谷真理(SF評論家)
  • 海老原豊(SF評論家)
  • 夏一葉(ジェンダーSF研究会会員、コスプレィヤー/ライター)
    申し訳ありませんが、夏一葉氏の講評のみ後送アップ致します
  • やすこ(ジェンダーSF研究会会員、ミュージシャン )

 Sense of Gender賞は、前年度の1月1日から12月31日までに刊行されたSF&ファンタジー関連作品を対象に、性的役割というテーマを探求し深めたものに与えられるものです。ひらたくいうと、SF的にジェンダーを考え感じさせてくれた日本の小説を選び「あなたのSF的ジェンダー考はすばらしい」と、一方的ではありますが、褒め称えさせていただく賞です。ジェンダーSF研究会が主宰しています。
 
 海外では、アメリカの女性SF作家パット・マーフィーとカレン・ジョイ・ファウラーが発起人となり、多くの女性SF作家&ファンが運営するジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞が、1991年に設立されています。ジェンダーSF研究会は、その主催者たちと連絡をとりあいながら、2001年から同様の趣旨で活動を行っています。つまりSense of Gender賞は、ティプトリー賞の日本版というわけです。両方とも正真正銘、ファンによる手作りをモットーとしています。
 
 選考方法も、本家のティプトリー賞は、初期のころには、選考委員5名が発起人と話し合って受賞作を選んでいました。最近では、選考委員5名が中心となって選考し、歴代の選考委員と受賞者、それに発起人と世話役など、関係者で構成されるマザーボードがこれをバックアップしています。そして、性差論への理解を深め、一般への浸透をはかるため、選考過程はくわしい選評を伴い公開することが原則となっています。
 SOG賞も、本家をお手本としつつ、試行錯誤・変遷を重ねながら、よりよい選考を行うことができるよう努めています。
 
 2006年度(第6回)は、メーリングリストなどを通じて広く候補作を募り、正会員によって最終候補作五作を選びました。その中から、香山リカ(精神科医)、小谷真理(SF評論家)、海老原豊(SF評論家)、夏一葉(ジェンダーSF研究会会員、コスプレィヤー/ライター)、やすこ(ジェンダーSF研究会会員、ミュージシャン )の五名の最終選考委員がディスカッションをし、今年度は大賞一作、特別一作が選出されました。
 詳しい選評は本誌をお読み下さい(本誌は不完全版です)。授賞式は、世界SF大会Nippon2007にて行われ、受賞者には、賞状とトロフィー、扇子が贈られました。
 
 SOG賞は、みなさんのご協力によりここまで進めてくることができました。これからもなにとぞご理解・ご協力のほどよろしくお願いします。本書の選評とともに、ぜひ選出作品を購入し、目を通して下さい。そのことがこれからのジェンダーSF研究会の活動を支えていく力となります。
 
 さて、性差という視点を導入することによってどんな新しい世界が見えてくるでしょうか。みなさんが、自らのジェンダー観を再確認し、新しい視点を獲得する一助となれば幸いに思います。

(ジェンダーSF研究会発起人・柏崎玲央奈)