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SFセミナー2001 合宿企画「ジェンダーSF研降臨」 |
日時: 2001年5月3日 22:00-23:00
会場:本郷 ふたき旅館3F |
■このたび、小谷真理、柏崎玲央奈、牧紀子の三名が発起人となり、SFの中で「ジェンダー」を考え楽しもうと「ジェンダーSF研究会」を発足しました。ジェンダーという見地からSFを読み直してみようというわけです。そのうち同好の士を募って例会も開きたいとか、活動の一環として「センス・オブ・ジェンダー賞」(ティプトリー賞の日本版?)もどうかしらと夢はふくらむ一方ですが、このたび、SFセミナーでは旗揚げもかねて、合宿企画で読書会をやりました。
「ジェンダーSF研究会」の発起企画に参加して下さった方、ありがとうございま した。SFセミナー合宿企画では、SF界では知的でカッコいいと評判の冬樹蛉氏と塩澤快浩氏をゲストに迎
え、「ジェンダーSF」について課題図書をあげて熱く語り合いました。(牧紀子)
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谷甲州 『エリコ』(早川書房)
時は22世紀。大阪に住む高級娼婦エリコは、あるときから国の遺伝子政策をめぐる陰謀にまきこまれる。男性から女性への性転換者であるエリコと、遺伝子をめぐる陰謀とは、どのような関わりがあったのか。ハードSFの騎手である著者が、性差越境の視点と、進化論とを切り結んで描く近未来SF。かたや、未来なのに性的役割は保守なままであると指摘する説があれば、かたやエリコのセックス・ライフスタイルがやおい的にエンジョイできるという説もあり、さらに一般的にありがちな女性嫌悪的な部分が見られないといぶかしむ説があるなど、賛否両論のバトルが繰り広げられたジェンダーSFの問題作。
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キャサリン・アサロ〈スコーリア戦記〉(ハヤカワ文庫SF)
かつて遺伝子操作により生まれた宿命の2つの種族……共感能力を持つローン系サイオンが統べるスコーリア王圏と、共感者の苦痛を快楽と感じるアリスト階級人が統一するユーブ帝圏。両国の戦いは留まるところを知らない。ところがユーブ帝の跡継ぎジェイブリオルは共感能力の持ち主だった。スコーリア王女ソースコニーは、ロミオとジュリエットのごとく彼と出会う。3巻では、ユーブに彼を奪われたソースコニーが、迎え撃つ姑と戦う話(笑) 以下続刊!
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エイミー・トムソン 『ヴァーチャル・ガール』(ハヤカワ文庫SF)
おたくなアーノルドが作ったマギーは、人と見まごうばかりの最高の美少女ロボット。体重が重かったり充電したりするのが大変だけど、無垢な魂は人々の心を癒していく。放浪の旅と様々な出会いを通して、人工知能としての成長を遂げるマギーの姿は、感動を呼ぶ。キャンベル賞受賞作。
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ニコラ・グリフィス 『スローリバー』乾遙子訳(ハヤカワ文庫SF)
近未来の英国で、誘拐された大富豪の令嬢ローアは、一族に見捨てられてしまう。サバイバルをとげた彼女は、身元を隠して下水処理場の作業員として働きながら、誘拐事件の裏事情を探る。未来のレズビアンのライフスタイルと、汚水処理場の現場から文明批評を展開するネビュラ賞受賞作。
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岡本賢一 『それゆけ、薔薇姫さま!』(ファミ通
文庫)
宇宙の平和を守るため、清純無垢な市民の想像を絶するような大活躍をする傍若無人にして厚顔無恥なかわいい怪盗・薔薇姫様とその部下・ヒナコ。いったい彼女たちは、何をもってして、平和を守っているのだろうか。未来の銀河宇宙を舞台に、美しい女性怪盗の破廉恥な活躍を描きつつ、男文明の脆弱さを露骨に糾弾したSFエロティック・コメディー。
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■男社会の核心をついていると高評された『それゆけ、薔薇姫さま!』と、おたくと美少女ロボットを扱った『バーチャル・ガール』に議論が集中。特に『バーチャル・ガール』は、その場にいた人のほぼ全員が読んでいたという驚くべき事実が明らかになりました。隠れたベストセラーだったんですね。そうそう。美少女ロボットは眼鏡っ娘であったほうがもっとよかったかもという意見がありました。
■ディスカッションでは、まず冒頭「なぜ、最近、お洒落でイケてるわたしをゲストに呼ばないのか」とどついてくださった永瀬氏を始め、女装家の三橋順子さん、SF批評家の巽孝之さん、日本SF新人賞を受賞されたバタイユ研究家の吉川良太郎さん、書評家のタニグチリユイチさん、ソウヤー・インタビューでおなじみの野田玲子博士、ウェブサイトで大活躍のArteさんとokkoさん(ナイスなレポート感謝です!)など、多数のお客様が来場され、さまざまな意見が取り交わされました。
■個人的におもしろかったのは、『エリコ』に関するお話です。実はフェミニスト系の某パネルでエリコは実際の女性とかけ離れたオトコの思いこみの女だというキビシイご指摘があったのですが、さすがにSFセミナーともなると、エリコの物語展開は、美少女ロボット創造とにてるねーという方向に話がいったところでした。身体とアイデンテイティを作り上げていくエリコの物語は、なるほど身体がハードウェアだとすると、周囲とさまざまな関係を経験値として加味するソフトウエアのお話に見えます。さまざまな要素を取り入れることによって、徐々に「女」あるいは「第三ジェンダー」が形成されていく過程を描いていると言えるからです。その場に実際の女装家の三橋さんがおられて、貴重なご意見をうかがえる機会にもめぐまれ、なかなか意義深い一時をすごさせていただきました。それにしても、この部屋、女性が多くてはなやかだったなぁー。(小谷)
■今回、初めての会でジェンダーSF読書会を試みてみましたが、いかがでしたで しょうか。「ジェンダー」って何なのか、ますますわからなくなった方もいるか
もしれません。しかし、複雑なジェンダーを研究していくことがこの会の目的で もあります。様々な課題や論点があるべきでしょう。これから、本格的に会合や
講演会、勉強会などをしていきたいと思います。興味がおありの方はもちろんのこと、疑問や異論がある方も、ぜひご参加下さい。お待ちしております。(柏崎)
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